- コラム
こんにちは。ニオイナシというオモテナシ。
伊藤でSHU。
以前「夏のスポーツウェア「汗臭 封じ込め」作戦」の回で、汗腺の一つであるエクリン腺について取り上げました。今回は、もう一つの汗腺、アポクリン腺にまつわる汗臭・体臭のお話です。
※最初に申し上げますが、キャッチシューPROは体臭を対象にした商品ではありません。
読み物として、ご参考までお願いいたします。
■汗には2種類がある
動物もそうですが、ヒトの体の表面には毛穴以外にも細かい穴が開いています。
その一つがエクリン腺という一般的に汗をかく場所と言われているところです。
もう一つの汗が、アポクリン腺といいます。
エクリン腺は体の表面に開いています。
アポクリン腺は、毛穴に対して穴が開いています。
■脇汗の黄ばみの原因はアポクリン腺!
エクリン腺の汗が、ほとんど水で透明であるのに対して、アポクリン腺から出る汗は、様々な成分を含んでいるため黄色~茶色の汗になっています。
肌着に黄ばみ汚れが付く原因の一つです。
アポクリン腺は、成長につれて大きさが変わることが知られています。
子どものときは小さく、第二次性徴期のころから大きくなり、年を取るにつれて小さくなります。
エクリン腺の汗は体温調整のための汗でした。
アポクリン腺の汗は、動物が仲間の判断や性別の判断のためのニオイを出すための汗になっています。
フェロモンと考えると、青年期に大きくなり、年を取るにつれて小さくなるのもイメージができますよね。
エクリン腺からの汗(暑い時に普通に流れてくる汗です)は、塩分を含むため酸性となり菌の繁殖を抑えます。なので、あまり臭いが問題になることはありません。
しかし、アポクリン腺からの汗は、たんぱく質、脂質、糖質など(の高栄養!)を含んでいて塩分がほぼないのです。そのため、細菌が発生し発酵しやすいのです。
そのためアポクリン腺からの汗は、臭いが強くなります。
■アポクリン腺で問題なのはわきの下だけ!
アポクリン腺の汗について長く説明しましたが、もともとは動物同志で仲間かどうかなどを判別するために必要な器官でした。
しかし、私たち現代人は、名前や顔で識別できてしまうため、識別するための臭いを必要としていません。
そのため、体中にあったアポクリン腺は、今の日本人はほぼ脇の下にだけ残っているのだそう。
■わき汗対策と、絶対やってはいけないこと
・食事から肉を減らす
アポクリン腺のほかにも、皮脂腺から出る油性成分も汗と混ざることで細菌のエサになりにおいのもとになります。
皮脂腺は、動物性脂肪をたくさん食べると活発化するので、食事からお肉を減らすというのも意外と効果的ですね。
・デオドラント剤を使う
汗をかくことの多い時期、デオドラント剤(制汗剤)を使うことが多いのではないでしょうか。
デオドラント剤とひとまとめにされていますが、その効果は
(1)薬剤によって汗腺をふさいでしまうもの(汗は、角質層にしみこんで逃げていくのだそう)。
(2)毛細血管を収縮させることで、毛細血管から染み出る水分を抑えるもの。
(3)制汗作用はないが、銀イオンなど、除菌成分などで菌の発生を抑えるもの。
また、形状もいいろいろあり、スプレータイプ、ローションタイプ、ウェットシートタイプ、ロールオンタイプ、スティックタイプ、クリームタイプがあります。
効き目が強いのは、クリームタイプ次いで、固形のスティックタイプ、ロールオンタイプと続きます。
いずれのタイプも一日中使い続けるのは避けましょう。
出来れば、外出する都度拭き取ったり洗ったりしたほうがいいんです。
そもそも、肌に合うあわないもあります。合わないものを使い続けるとかゆみやかぶれとなってしようが続けられなくなることにもなります。
また、デオドラント剤は、本来なら汗が出るところをふさいでしまったりしています。
そのため、汗だけではなく老廃物もふさぐことにもなり、黒ずみとなって残ることも。
さらには詰まった老廃物が腐敗してさらに臭いがきつくなるようになります。
除菌タイプのものも、あまりに除菌しすぎると日常的に皮脂や汗からくる老廃物を食べて分解してくれていた常在菌まで殺してしまい、肌の抵抗が弱くなるなど、皮膚への負担だけでなくかえってワキガ体質になってしまうかもしれません。
暮らしのニオイに引き算を。
また会いましょう、ありがとうございました。